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2016年12月31日

京都わかもん会議のその後 vol.3|株式会社jiji・圓城史也さん

Fumiya Enjo

2016年2月に開催された京都わかもん会議から早9ヶ月。あの時の参加者は今、どこで何をしているのでしょうか。参加者のその後の変化を追っていく企画「京都わかもん会議のその後」 今回は分科会で登壇してくださったあの方の “その後” を追ってきました。

圓城 史也(えんじょう ふみや)さん:1992年、静岡出身。親御さんの転勤により、その後を横浜や大阪で過ごし、大学進学と共に京都へ。京都造形芸術大学、プロダクトデザイン専攻。大学4年生の時に始めた「十夜フェス」をきっかけに、2016年4月起業。今年2回目の十夜フェスを開催した。前回の京都わかもん会議の分科会登壇者。

◆いきなりですが、その後どうですか?

fumiya enjo

圓城京都わかもん会議(以下、わかもん会議)でつながりができたことで動いたものがあります。

(なんだか言わせちゃったみたいでスミマセン…120%のご回答ありがとうございます!)

例えば、分科会に登壇した時にグラフィックレコーディングを担当してくれたタオルマンさん。登壇後に「おもしろい企画ですね、何かあったらお手伝いしますよ!」と言ってくださったことをきっかけに、「十夜フェス一緒につくりたいです」って声をかけさせてもらいました。

また、前回のわかもん会議参加者である馬場ちゃんが、その時プロジェクトに興味を持ってくれて、別のイベントで声をかけてくれたことをきっかけに十夜フェスのスタッフになってくれました。ほかにも、わかもん会議の参加者が、十夜フェスに興味を持ってくださる企業さんを紹介してくれました。 そうして、わかもん会議でできた “つながり” から、新たに広がりが生まれました

さらに、今年の4月に株式会社 jijiを立ち上げました。現在、会社は2人でやっており、もう1人は東京の会社で営業をしています。パートナーとは「一緒に会社つくろう」と言ってから作るまでに、実は一度しか会っていません(笑)。プログラミングの勉強をしていた時期に縁があって、東京を訪れ、人づてに紹介して頂くうちに出会いました。

そして、今年2回目を迎えた「十夜フェス(※1) 昨年より、お寺とのコラボレートを意識した今回の開催は、“仏教を体験する” ことをベースに、去年よりも一歩踏み込んだ企画を作れたと思っています。

※1)十夜フェスとは…十夜法要とアートをコラボレートしたフェスのこと。十夜法要とは、十日十夜にわたり絶えずお念仏を称え、阿弥陀さまのお慈悲に感謝する法要のことで、10月から11月にかけて、全国の浄土宗寺院で行われる。(HPより一部抜粋)

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▲アイドルライブ前の十夜法要(Photo by 高橋保世

-企画内容はどのように決まっていったのですか?

圓城:学生発やお坊さん発など、様々です。 例えば、「アイドルをプロデュースしてみたい!」という学生がいたので、それをお寺でやってみようと、十夜フェスから伝えたいメッセージをアイドルライブの表現や演出ひとつひとつに盛り込んだ企画がありました。

他にも、普段対話の場づくりをしているスタッフから生まれた “対話 × 仏教” の企画があったり、お坊さんとロボットによる法要の企画があったり。 元々は「お念仏少し疲れたから自分のコピーロボットに代わりにお念仏させてみたい!」「スターウォーズならぬスターボーズってどう? 笑」という冗談交じりのお坊さんひと言からでした。その中で “ロボットが上げるお経に、人はありがたさを感じるのか?” という問いが生まれていきました。

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▲木魚を打ってお経を唱える僧侶ロボットAU(Photo by 高橋保世

"自分たちがやりたいこと×ここ(お寺)だからできること"

それぞれの企画に関わる人が問いかけたいこと・表現したいことをこの場に持ち寄って、フェスを組み立てていきました。こういったお寺での企画はすんなり進むことばかりではないですが、時代に調和しながらお寺が地域へ開かれていく「きっかけ」になればと、来年も十夜フェスの開催を予定しています。

◆実は、もともと「寺社に興味があった!」ということではなかったんです(笑)

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▲十夜法要の様子

-そもそも十夜フェスを始めたきっかけは何だったのでしょうか?

圓城:学内で募集されている様々なプロジェックトの中には、京都ということもあってか、寺社を舞台に行われるものもありました。例えば、セレクトショップをお寺で立ち上げてみるものや、アートフェスのライトアップを境内でしてみるもの。

そうやって、境内のあり方や寺社の日常に自然と興味をもっていくうちに、寺社がかかえる様々な課題を耳にするようになりました。近年では、運営維持に困っているお寺も増えているそうです。 お寺のことを知れば知るほど、何か自分にできることがあるのではと考えるようになりました。

昔は「寺子屋」や「宿坊」など、コミュニティとしての機能がもっとあったのでは。

最近は本業と絡めてクリエイティブで面白い活動をするお坊さんや神主さんが増えてきましたよね。今は「この人に会いたい!」と思ったら会いに行ける時代なので、ウェブメディアや雑誌等でお見かけした、気になるお坊さん数名にFacebookでメッセージを送りました。

そんな中、龍岸寺住職の池口さんにお会いする機会があり、その時に初めて十夜フェスのお話をいただきました。“十夜法要へ地域の人に来てもらえない” という課題に対して、「フェスのような若い人でも親しみの持てる形でやってみたいのだけれど、代表やってみない?」と誘って頂き、やってみたのが昨年のことです。

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▲八大地獄や輪廻転生の世界観からなる空間でのお経輪読体験  “RING-NENBUTSU” (Photo by 高橋保世

寺社という場所自体にはストーリーやコンセプトがあっておもしろいのに、今は地域の人が集う場としての機能が弱まっているように感じますね。それがもったいなくて、どうにかできないかと思いました。

-なるほどなるほど。関わり始めて、どんどん前のめりに関わるようになったという感じですね。ところで、プロダクトデザインを専攻された理由は何だったのでしょう?

圓城:とりわけ「これがしたい!」と思って大学に進んだわけではなかったのですが、正直当時の僕は、プロダクトデザインを専攻すれば “デザインの領域を網羅的に一通り学べるんじゃないか” 、みたいな漠然としたイメージで選択していました。

◆つながっていなかったものを、新たな要素としてつなげたい

-圓城さんがこれからやっていきたいことは何ですか?

Fumiya Enjo

圓城:十夜フェスは来年もやるんですけど、実は「やりたい」という気持ちだけでやっているわけでもないんです。来年は代表を引き継ぐ予定もしていて。ですが、池口さんに「圓城くんだから一緒にやりたい。」と言葉をかけて頂いたことがあり、それが今でも心に残っていて。“人に期待される感覚” をちゃんと持ったのは初めてだったんです。

こうして積み重ねてきたことで、少しずつではありますがお寺との関係性づくりができてきたからこそ、「アート、仏教、学生や若者、そして京都」でできることの可能性を探ってみたいです。それぞれ “要素としては新しくない” のですが、 “仕組みとして新しいもの” にできると思うんです。それをお寺や神社と絡めていきたいですね。

自分だからやること、自分だからできること。

今後、会社として直近でやっていくことは、寺社でイベントや企業研修をすること、お寺に宿泊する文化をもう一度広めていくことです。法的にクリアしなければならない課題や難しいことは多々りますが、一つずつ前へ進めていきます。

◆次回の参加者へひと言お願いします!

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▲十夜フェスで実施されていた梵zineワークショップ

参加してよかったことは、自分を振り返るいいきっかけになったこと。「登壇してほしい!」という連絡はなかなか急だったけど(笑)、人に話す準備をすることで昨年の十夜フェスをしっかり振り返ることができました。

それから、思っている以上に、思ってもないところで価値を感じてくれる人がいたことが印象的でした。十夜フェスに対して興味を持ってくれる人がいること、自分の活動に対して価値を感じてくれた人がいるということが昨年参加した率直な感想です。

聞いてくれる人がいる場だからこそ、自分の中の当たり前を「シェア」することが大切だと思います。 困っていることや「こんなことやりたい!」と発信することで拾ってくれる人がいるのも、わかもん会議ならではですね。

後は、わかもん会議は熱量があるから、いい意味で勘違いできると思っています。ああいった場があることで初めて、「自分もできるんじゃないか」って感じて、動ける人がいるんだと思います。

◆ここで、十夜フェスのスタッフを務める馬場ちゃん登場!

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▲馬場ちゃん登場!

馬場ちゃん、前回のわかもん会議に参加してみてどうでしたか?

馬場:わかもん会議で圓城さんのことを知って、話を聞いてみたくて。とあるイベントで会う機会があり、「今だ!」と思って声をかけてよかったです。十夜フェスもそうですが、こういった場には自分と違った視点の人がいてとっても面白いです。わかもん会議でもそうですよね。

自分自身、わかもん会議で加速できた部分もありますよ! はじめ座った席がたまたま隣だった、「想いのしおり」の西野っちとイベントも企画しましたし、こうやって今圓城さんのプロジェクトに関わることもできましたし。

あとは、イベントに学生が関わりやすいのは京都ならではかなぁと少し思います。例えば、わたしの地元ではこうしたアートイベントはプロじゃないと関われない雰囲気が少しあって。それでも地元でもっと動いていけるように、ここで得たものを活かして頑張りたいです!

-圓城さん、馬場ちゃん、ありがとうございました!

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▲五十音の梵字が無数に浮かぶインスタレーション(Photo by 高橋保世

「もったいない」「お手伝いできそう」「やってみたい」からはじまる圓城さん。柔らかなお人柄で “人に頼まれる力” をおもちであることや、自ら前のめりに動いてきた分だけ出会うことができた人との “縁” を大事にされていることがとても印象的でした。今後のご活躍が楽しみですね。 「京都」をフィールドにした様々なキーマンに会える、京都わかもん会議 2017。今年はどんな方々にお会いできるのかとっても楽しみです!