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2017年3月14日

【わたしと地域の関わり方】vol.1|「音楽で福知山を元気に!」-クラリネット奏者・吉田佐和子さん

sawako yoshida

ここ最近、「まちづくり」という言葉をよく耳にするのですが、皆さんは「まちづくり」って何だと思いますか? なんとなくわかるような、いや、やっぱりわからないような…。日々の暮らしに関わることなので、はっきりとした定義は見つからないのかもしれません。

そこで! 地域といろんな方法で関わっている方々に「わたしと地域の関わり方」を伺ってみたいなと思い、この企画をはじめました。そんな記念すべき第1回目は、クラリネット奏者吉田 佐和子(よしだ さわこ)さん。

京都府福知山市出身の彼女は、「音楽でまちをつなぐ!」をキャッチフレーズに、音楽を通して福知山の魅力を日本全国に発信しています。

sawako yoshida

吉田 佐和子さん(以下、佐和子さん):1986年生まれ。クラリネット奏者。コンテンツプロデューサー。福知山の魅力発信ウェブマガジン「ふくてぃーやま」編集長。Double Sunrise代表。フリーランスの演奏家として福知山・大阪・東京を中心に活動中。詳しいプロフィールはこちらへ。

-本日は、佐和子さんの “地元との関わり方” をお伺いしていきたいと思います! 福知山に拠点を移されてからしばらく経ちますが、その後どうですか? 

佐和子さん東京にいた頃とそんなに大きな変化はないですね(笑)

仕事があれば日本全国どこにでも演奏に行くし、これまでも福知山には結構帰ってきていたので、拠点を移す前と今を比べても、生活はあまり変わっていない気がします。

-そういえば、拠点を移そうと思ったきっかけは何だったのでしょうか?

佐和子さん2016年6月18日に、福知山市厚生会館で「第13回 フレッシュコンサート」 を開催したんです。

東京からクラシックやジャズで活躍する演奏者の方々に来てもらい、自作曲や福知山の歴史を題材にした、交響詩『福知山』を演奏しました。また、地元の落語家である桂三扇さんには福知山を題材にした新作落語を書き下ろしていただき、お噺の中では福知山踊振興会の皆さんに福知山音頭を踊っていただきました。

コンサート終了後は希望者を募り、福知山名物の鴨すきをお客様と演奏者が一緒になって食べて、美味しいお酒を味わいました。

音楽、落語、福知山音頭、鴨すき、地酒。

あらゆる側面から福知山の良さを発信したい、福知山を楽しんでいただきたい! と企画したんですが、本当に盛りだくさんの内容でした。

-鴨すき! わたしも噂でよく耳にします(笑) いつか一度食べてみたいです…

佐和子さん:それからわたしはSNSが好きで、ブログやTwitter、Facebookでいつも福知山愛を叫んでいるんですが、それを日常的に繰り返していたからか、このコンサートには地元の人だけではなく、東京や岐阜、三重や鳥取など遠方からもたくさんのお客様が来てくださいました。 そのこともすごく嬉しかったです。

sawako yoshida

佐和子さん:27歳の頃から3年ほど東京を拠点に演奏活動をしていたんですが、東京に行ってから作曲をはじめ、たくさんの人の協力のおかげで、オリジナル曲を集めたアルバムを2枚発売することが出来ました。 死ぬまでに一緒に演奏したい! と思っていた方とステージを共にすることも出来ました。だから、フレッシュコンサートを終えて、音楽面でやりたいと思っていたことは一通りやったな、という思いがあったんです。

そして、次にやりたいことは何だろう? と考えたときに「やっぱり福知山のまちが元気になるようなことをしたい!」と強く感じたので、福知山に戻ることを決めました。

-なるほどなるほど。

佐和子さん何をやるかはいろいろ考えたんですが、福知山に関する情報がウェブ上で見つけにくい状況に課題を感じていたことから、福知山の魅力発信ウェブマガジン「ふくてぃーやま」を立ち上げることにしました。

「ふくてぃーやま」では、福知山の魅力を発信したい! と集まってくれたライターたちがそれぞれ取材先に足を運び、執筆しています。

-地域って欲しい情報がネット上にはなかなか出てきにくいですもんね。

佐和子さん:そうなんです。

いいところは沢山あるのに、それをうまく発信出来てない地域って多いですよね。福知山は昔から発信下手だなぁ、と思っていて。 こういうサイトの立ち上げも以前は誰かがやってくれるだろうと思っていたんですが、数年待っても何も起こらなかったので、わたしが立ち上げよう! と決意しました。

「福知山」に関することを発信しながら、どうやったら “福知山” と “福知山に興味を持ってくださる方” をつなげることが出来るのか、日々考えています。

sawako yoshida @shinmachi

▲佐和子さんの原点、新町商店街。(写真提供:佐和子さん)

-そういえば佐和子さんのTwitterのカバー写真、新町商店街だった気がします! 

佐和子さん:そう! 新町商店街は、わたしの福知山での音楽活動の原点でもあります。小学6年生のときに商店街を通ったら “なんだかさびしいな”と感じたんです。 でも、そのときはまだ小学生ですから「このさびしさは、いつか大人がなんとかしてくれる。」と思っていました。

それから中学・高校と吹奏楽部の活動や楽器のレッスンに明け暮れ、音大に進学。いよいよ卒業するという時に、もう一度商店街を通ったんですが、小学6年生のときに感じたさびしさはそのままだったんです。

その時、「小学6年生のときの自分から見たら、今の自分はもう大人だ。何か自分が出来ることをしよう。」って思いました。

-新町商店街、最近は福知山ワンダーマーケットでも注目されていますよね。

佐和子さん:最近は、新町商店街の一角で20代前半の子がパソコン教室をやっているみたいで、地域のおばあちゃん達が集まっていたり、福知山ワンダーマーケットが開催されていたりと少しずつ人の出入りが増えてきているようで嬉しいです。

わたしは商店街が大好きなので、商店街に人が来るきっかけをつくっていけたらと思っています。

-佐和子さんのような方が身近にいると、中高生たちも地元の見方が変わるかもしれませんね。「ふくてぃーやま」のライターにも高校生がいるみたいですし、そういった若い子たちの将来の選択肢が広がる気がします。

佐和子さん:実は、2013年に完成した吹奏楽曲、交響詩『福知山』にはそんな想いが込められています。

わたしの場合、音大に進学するまでは福知山で過ごしましたが、福知山にいる間、まちのことを考える機会はほとんどありませんでした。そんな経験から、作編曲家の福田洋介さんに作曲を依頼して福知山を取材して周り、全4楽章、25分間に及ぶ楽曲を作り上げました。

普通に福知山の歴史を学ぶよりも、音楽を通して楽しんで学んだ方が、絶対に記憶にも残ります。まずは楽しんで福知山のことを知ってもらい、それから福知山のまちを好きになってもらえたらなと。

-まちのことをここまで一生懸命に考えてくれる大人がいると、地域の子ども達も心強いですね。佐和子さんがこんな風に「福知山」を意識するようになったのはいつ頃からですか?

佐和子さん大阪の音大に進学したことがきっかけですね。

clarinet

それまで “福知山の魅力” が何なのか分からなかったんですけど、一度地元から出たことで、自然あふれる風景や、あたたかい人こそ、自分にとってすごく大切で魅力あるものだと気付いたんです。

- “地元を離れること” はひとつのきっかけになるかもしれませんね。佐和子さんは、昨年8月に開催した高校生ミライカレッジ」にも参加してくださいましたが、実際に高校生や大学生と関わってみてどうでしたか?

佐和子さん中高生が地域で活動する大人たちと関わるのはすごく面白いと思いました。 そして、そのきっかけをつくるのは大人の役割だとも。

若いときから、自分が思いついたいろんなアイデアを実現させていくプロセスを体験し、失敗や成功を経験することがすごく大事だと思うし、そういうことが出来るプログラムがあると面白そう。

今後、高校生や大学生のチャレンジをサポートするようなこともしていきたいですね。

mirai college

-若いうちに失敗できる環境って大事ですよね。そういえば、この間ブログで「パリに行く」とおっしゃっていましたが…?

佐和子さん:そうなんです。

「ふくてぃーやま」のサイトもオープンしたばかりで、福知山のことが大好きなので、このタイミングで離れるのはさみしい気持ちもあるんですが、この春からしばらくパリで暮らすことになりました。

夏には一度帰ってきて『吉田佐和子ミニコンサート&福知山音頭を踊る会』を開催するので、いまから皆さんにお会いできるのが楽しみです。

パリでは特に「これをやります!」ということは決めていないんですが、 “世界から見た福知山の魅力” や  “世界で福知山人として誇れるもの” を探したいです。今日、着物を着たのもそんな気持ちの表われ。 福知山の文化を紡ぐ人となれるよう、これからは日本や福知山の文化に積極的に触れていこうと考えています。 

-いつもと違った雰囲気のお着物姿も素敵だと思っていました。ぜひ、パリでも福知山を広めてきてくださいね!

 

それでは、最後になりましたが、佐和子さんにとって「福知山」とはどんな場所でしょうか?

sawako yoshida

「原点であり、愛し続ける場所」ですね。 

福知山への思い、そして福知山の魅力をこれからも外へ発信し続けていきます!

-お話を伺って改めて「福知山」への愛がひしひしと伝わってきました。 佐和子さん、本日はありがとうございました! お気をつけていってらっしゃいませ。

◆ お話を伺った場所、「古本と珈琲 モジカ」

mojika

本日お話を伺った場所は、「古本と珈琲 モジカ」さん。 “ゆったりと本が「読めて、買える」カフェ” をコンセプトに、まちのばの2階に併設されたカフェです。