Close

2018年2月19日

たんたんで働く vol.7【綾部】|「地元に帰ったらすぐに『ちゃった弁』に戻っちゃいました。」-綾部市役所観光交流課・永井直子さん

ayabeshiyakusyo_nagaisan06

 

大学生のみなさんは、これからはじまる「就職活動」にどのようなイメージをもっていますか?

実際にお話を聞いてみると、「早く働きたい!」という声や「考えただけで憂鬱」という声、「インターンシップどうしよう・・」「はじまるのは大学4年生になってから・・?」「地元に帰りたい」などなど、様々な声を耳にします。

 

少子高齢化や都市部への人口集中、テクノロジーの発達、AIの発展・・暮らしを取り巻く環境が変化していく中で、わたし達の「仕事」や「働き方」は今後10年、20年の間にどのように変化していくのでしょうか。

 

まずは、地域にどんな仕事があるのか、社会人の先輩方がどのように学生生活を過ごしてきたのかを「たんたんで働く」特集(※1) を通してお届けしていきたいと思います。

近い将来のことを頭の片隅で思い描きながら、これからの学生生活を過ごすヒントにしていただけると嬉しいです。

 

(※1)たんたん…かつて丹波国と丹後国の一部であった福知山市、綾部市、舞鶴市のこと。

 

ayabeshiyakusyo_nagaisan01

第7回目は「綾部市役所」の定住交流部観光交流課で働く、永井直子(ながい なおこ)さんにお話を伺いました。

綾部市役所/永井直子さん(2012年入社):1989年生まれ。京都府福知山市出身。高校までを地元福知山で過ごし、大学進学とともに京都市内へ。京都府立大学 人間環境学部(現:生命環境学部)で、食保健学科で学び、就職を機にUターン。現在は綾部市役所の定住交流部観光交流課で綾部市の観光PRの仕事を担当している。

 

筋道を立ててというよりも、流れるように地元に戻ってきました。

 

永井さんは現在、綾部市役所の観光交流課で働いています。

高校卒業までを地元・福知山で過ごしていました。大学卒業後に地元に戻った理由を伺ってみると、「特に誰かに言われたわけではないのですが、進学で地元を出て大学を卒業したら 普通にみんな福知山に帰ってくるものだと思っていたんです(笑)」とひと言。自然な流れで、そうすることが当たり前だと思っていたからこそ、地元にある仕事を選んだのだとか。

 

「大学は『管理栄養士』を目指せるところを選びました。」と永井さん。

食や健康について学ぶ講義のほかに実験や実習も多く、なかでも、自分たちで献立作成を行い、大量調理をした「給食実習」は何度も先生にダメ出しされ、時には徹夜で作業することもあったそう。ですが、学部の友人や先輩たちと一緒に考えながら様々な実験をするのは、振り返ってみると楽しい思い出として残っており、大学時代に身につけた「食」に関する知識は今の生活にも役立っているのだとか。

忙しい授業の合間には、サークル活動やアルバイト、旅行で国内外を巡るなど充実した大学生活を過ごしていました。アジアの国々を旅したことや、友達と日本国内をあちらこちら訪れた思い出を楽しそうに話す永井さんに、現在の観光交流課でのお仕事に通ずるものを感じました。

ayabeshiyakusyo_nagaisan05

▲地元綾部産にこだわった特産品、新鮮野菜、加工品、工芸品などが並ぶ「あやべ特産館」。

もともと、管理栄養士を目指そうと思ったきっかけは、スポーツに関わる事がしたいと思ったから。中学生の時に所属していたソフトボール部で、永井さん自身が怪我をしたことをきっかけに「理学療法士」という仕事と出会います。自身の経験から、「職業」を通したスポーツとの関わり方があることを知り、それに紐づいた資格を取得してみるのはどうだろうと考えていたことがはじまりでした。

「進路を決める際は、周りの方のアドバイスもあり『管理栄養士』を目指して進学したのですが、就職に関しては、大学在学中にスポーツ以外のことにも興味が湧き “どうしても管理栄養士として働きたい” というこだわりはありませんでした。」と永井さん。

大学3年生の10月。就職活動の解禁とともに企業説明会に参加してみたものの、あまり興味を惹かれる会社がなかったそう。“みんながやるから自分も” というスタンスで就活をするのもよくないな〜と、地元に帰る方向で仕事を探しはじめます。その時出会ったのが「綾部市役所」でした。

 

あの頃は知らなかった、綾部という「地域」を発掘していく仕事。

ayabeshiyakusyo_nagaisan04

観光交流課に来て2年目。現在は、綾部市の観光PRを担当しています。

例えば、観光関連のイベントで綾部市の紹介をしたり、綾部市内で開催されるイベントの支援をしたり、綾部市のゆるキャラ「まゆピー」の中に入るなど、業務内容は多岐に渡ります。

その分関わる人の幅が広く、市役所の外に出ていろんな職種の方に会うことが多いそう。

時には、旅行会社との商談会に参加することもあり、そこでは「綾部にはこんなところがありますよ!」「こんな体験ができますよ!」と、綾部ならではの観光をPRしているのだとか。

 

--仕事を通して知ることができた、地域の魅力。

永井さんが地元で暮らしていた高校生の頃には知らなかったような、地域の歴史文化や風景、その地域に息づく産業などにだんだんと興味が湧いていきます。

 

ayabeshiyakusyo_nagaisan02

なかでも、大本通りにある町家を改装した飲食店やお店、あやべグンゼスクエアにある「綾茶café」などが永井さんのおすすめの場所。

実は、綾部市は知る人ぞ知るお茶の名産地。綾茶caféでは、綾部産の玉露を自分で入れるところから楽しめます。永井さん曰く、「今まで飲んでいたお茶とは全然違う・・」というくらいおいしく、最後に茶葉をポン酢で食べるという珍しい体験もできるそう。

大本通りには、レトロな雰囲気を感じさせるすてきな風景が今でも残っており、「友達が来た時に一緒に訪れたいスポットのひとつです。」と永井さん。

 

ayabeshiyakusyo_nagaisan03

まだまだ、世の中に知られていない「綾部」の魅力。

“綾部がこんな風になったらいいな” “ここに来て!とみんなに言えるものがあったらいいな” と考えながら、永井さん自身も仕事や日常生活を通して綾部の魅力を見つけているのだそう。

「海の京都であり、森の京都でもある綾部には、まだまだ知られていない体験や観光スポットがあると思います。そういうものを、地域や職場、観光に関わる方々と掘り起こしながら、綾部だからこそできる体験や観光のかたちとして発信していきたいです。」(永井さん)

 

ayabeshiyakusyo_nagaisan08

--最後に、今回の特集テーマである「働く」ということについてお話を伺いました。

「わたし自身も、まだはっきりとこれだ! とは言いきれないのですが、仕事でもプライベートでも良いので、何か目的を達成するために『働く』んじゃないかなと思います。地域の魅力を誰かに伝えたいから『働く』、生活のために『働く』ほしいものを買う・休日に旅行をするために『働く』など、人によって様々な目的があるのだと思います。どんな目的であっても、目的があれば働くことはきっと楽しめるんじゃないかな、と思いますよ。」(永井さん)

 

永井さんは大学生の頃、新しくできた友達に「どこ出身?」と聞かれるたびに、「京都出身」ではなく「福知山出身」と答えていたそう。京都府北部地域の方言である「ちゃった弁」も通じないので、なるべく話さないようにしていたのだとか。ですが、地元に戻るとすぐに、自分でも驚くほど自然に「ちゃった弁」を話すようになり、改めて地元の居心地の良さを体感した永井さん。

 

自分らしくいられる場所で暮らすこと、働くこと。そんな選択肢があることも、あたまの片隅に入れておきたいなと感じた今回のインタビューでした。永井さんにおすすめしていただいたとおり、今度はあたたかい季節に綾部を訪れてみたいと思います。本日はありがとうございました!