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2018年3月13日

たんたんで働く vol.8【福知山】|「みんな一緒じゃなくてもいいんじゃないかな、と思うんです。」-福知山ワンダーマーケット・美作歩さん

fukuchiyama wondermarket

▲右に写るのが、今回インタビューをさせていただいた美作歩さん。
 

大学生のみなさんは、これからはじまる「就職活動」にどのようなイメージをもっていますか?

実際にお話を聞いてみると、「早く働きたい!」という声や「考えただけで憂鬱」という声、「インターンシップどうしよう・・」「はじまるのは大学4年生になってから・・?」「地元に帰りたい」などなど、様々な声を耳にします。

 

少子高齢化や都市部への人口集中、テクノロジーの発達、AIの発展・・暮らしを取り巻く環境が変化していく中で、わたし達の「仕事」や「働き方」は今後10年、20年の間にどのように変化していくのでしょうか。

 

まずは、地域にどんな仕事があるのか、社会人の先輩方がどのように学生生活を過ごしてきたのかを「たんたんで働く」特集(※1) を通してお届けしていきたいと思います。

近い将来のことを頭の片隅で思い描きながら、これからの学生生活を過ごすヒントにしていただけると嬉しいです。

 

(※1)たんたん…かつて丹波国と丹後国の一部であった福知山市、綾部市、舞鶴市のこと。

 

ayumi mimasaka

第8回目は「福知山ワンダーマーケット」の代表を務める、美作歩(みまさか あゆみ)さんにお話を伺いました。

福知山ワンダーマーケット代表/美作歩さん:京都市生まれ。大阪府茨木市にある梅花女子短期大学(現:梅花女子大学)の英語科に通ったのち、様々な仕事を経て結婚とともに綾部市に移住。福知山まちづくり会社に勤務していたことをきっかけに、「福知山ワンダーマーケット」を考案。現在は、ショップの販売員として働きながら、同企画の運営に携わっている。

 

毎月第4日曜日に開催する「福知山ワンダーマーケット」とは?

shinmachi syotengai

2016年10月に、第1回目を開催した「福知山ワンダーマーケット」(以下、ワンダーマーケット)。以前、わかもんの記事にも登場したカフェ「まぃまぃ堂」がある新町商店街で開催されています。

当日は、およそ330メートルのアーケードの下に、バラエティ豊かなお店が50店舗近く並びます。

福知山というまちで、自分サイズの暮らしをもっと愉しむための定期市。当日は福知山のみならず、関西圏内でこだわりをもって製作、またはセレクトされた日用雑貨や加工食品、野菜を販売をされているお店が多数集まります。月に一度のマーケットを通じて、福知山というまちに親近感を感じてもらえたり、数々の老舗や地元のお店と、新しく事業を始めたい人々やアイデアが出会い、影響し合って、人やモノやコトがつながれば、まちなかで起業・創業する人も増えて、福知山という地域がさらに盛り上がるのではと期待を込めて。(HPより一部引用)

「福知山のまちを楽しみたい!」というメンバーが有志で集まり、企画がはじまったワンダーマーケット。

実行委員は、大学生や農家、会社員、カフェの店主、大学教授、市役所職員など幅広く、福知山出身者も移住者も、みんながひとつのチームになって運営しています。

 

自分たちの「あったらいいな」からはじまった、ワンダーマーケット。

shinmachi syotengai

結婚をする前は、京都市に住んでいた美作さん。

京都市内ではマルシェや手づくり市があちらこちらで開催されており、よく足を運んでいたそう。綾部市に移住してからも、そういったイベントが身近にあったらいいな〜とずっと思っていたのだとか。そんな美作さんに、移住してからワンダーマーケットを企画するに至った背景を伺いました。

 

-よろしくお願いします。まずはじめに、ワンダーマーケットはどういった経緯で誕生したのですか?

美作さん(以下、敬称略):はじめは前職の「福知山まちづくり株式会社(※2)」の上司である、庄田さんという方と「福知山に新しいお店が生まれるような、おもしろいことがしたいね。」と話していたんです。当時は、活用できる空き家や空き店舗を探す事業を担当していたのですが、まちの発展を考えたときに、何か次の一手を打つことはできないかなぁと思っていました。

庄田さんと一緒に、DIYで空き家をリノベーションするワークショップを開催したこともあったんです。みんなで壁を貼ったり、漆喰を塗ったりして。企画としては楽しかったんですけど、なかなか空き店舗の活用にはつながりませんでした。そこで、もっと若い人たちが新規出店に興味をもってくれるような動線をつくることが必要だと考えました。

そんな時に、庄田さんと空き店舗のリサーチで訪れた新町商店街の雰囲気がすごく良くて「ここで何かやろう!」となったんです。

(※2)福知山まちづくり株式会社・・福知山パーキング事業、広小路商店街テナントミックス事業、ゆらのガーデンの運営管理等を行うまちづくり会社。

fukuchiyama wonder market

▲ワンダーマーケット当日の様子。キッズコーナーは大学生が中心となって企画。

-新町商店街、わたしも好きです。ワンダーマーケットの雰囲気とすごく合っていますね。

美作:そうなんですよ! 看板ひとつにしても、すごくレトロでかわいくて。福知山市内の他の場所も検討していたのですが、やっぱり新町商店街ならではの個性が活かせるこの場所がいいなと思いました。

-福知山まちづくり会社に入った当初から、この企画を考えておられたんですか。

美作:いいえ(笑)。採用面接の際に「何か福知山でやってみたいことはありますか?」と聞かれて、「手づくり市があったらいいな」と話しました。ですが、当時はどちらかというと参加者目線で話していたので、まさかこんな風に自分がワンダーマーケットを企画するとは思っていなかったです。

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▲ワンダーマーケット開催時には、店先でワゴンセールを行う既存の店舗も。

-新しいことを企画するにあたって、地域の方々や商店街の反応はどうでしたか?

美作:最初から「よし、やりましょう!」という人は、正直なところ少なかったです。はじめての試みだったので、事故が起こらないか、自分たちの暮らしに影響はないか、不安があるのは当然ですからね。なので、自分たちも自信をもって「大丈夫です」と言えるように運営体制を整えていきました。

現在は、地元や商店街の方々にも協力してもらいながら開催しています。商店街内に住んでいる方には毎月開催ごとに車の移動をお願いしているのですが、快く引き受けてくださるのでありがたいです。

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▲新規出店者には「起業応援ブース」という紙が貼られます。出店料はなんと1,000円!

-ワンダーマーケットの出店者には、どのような人がおられますか?

美作:地元や京都府北部の方もいれば、京都市や他府県から応募してくれる方もいます。基本的には応募形式なので、季節や業種のバランスを見ながら実行委員会で調整しています。実行委員にも自営業の方がいるので、合わせて出店していることもありますよ。

-いろんな広がりを感じますね。

美作:そうですね。出店者やお客さんとのコミュニケーションも楽しくて。あとは、実行委員自身もワンダーマーケットでのお買い物を楽しんでいる気がするんです。わたしが一番そうかもしれません(笑)。当日の朝、準備をしながら「よし、今日は買うぞ〜」ってワクワクするんです。

ほかにも、毎月のワンダーマーケットを楽しみにしてくれている地元の方もいるんですよ。こういう場があることで近所で暮らす高齢者にも、いつもの新町商店街に “おしゃれをして出かける日” と思ってもらえているみたいです。こういった地域の方々の反応は何よりも嬉しいですね。

-嬉しいですね! ワンダーマーケットの今後の展開についてお聞かせください。

美作:今後のアイデアとしては、少しずつ運営資金を貯めながら「福知山ワンダーマーケット」として派生できることに投資したいと思っています。例えば、スペースを借りてレンタルキッチンやイベントスペースをつくるようなこと。以前から、ワンダーマーケットに出店してみたいけど営業許可の関係で出店できない方や、「福知山のお土産をつくりたい!」と言っている方のチャレンジにつながるような場所があったらいいなと思っていて。

こんな風に改めて振り返ると、はじめられたタイミングがよかったのかな。ワンダーマーケットは、「福知山のまちを楽しみたい!」という共通認識をもっているメンバーが集まったからこそできる取り組みなので、それぞれが自分のやりたいことと掛け合わせながら今後も続けていきたいです。

 

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